2代目ホンダヴェゼルe:HEV 試乗 滑らかな加速と上質な乗り心地 パッケージングの良さに脱帽

ペダルレイアウト

荷室

全長4,430㎜で、後席もあれだけ広いのにもかかわらず、荷室も広いです。

ハイブリッド車であっても床下に収納もできます。

後席を倒すと荷室はこれだけ広がります。

なぜこれだけ広大なラゲッジスペースを作れるのかというと、後席に備わるダイブダウン機構のおかげです。後席座面が沈み込み、効率よく収納できるようになっています。

ドライブフィール

ハイブリッド車のスペックは、モーター253N・m、最大出力131PSとなり、基本的にはこのモーターで駆動します。

高速走行など低負荷な領域では、エンジンとギアが直結し、エンジンで走行します。この時のギアは、6速相当なので、高速巡行時のみ一時的にエンジンで駆動する、シリーズ・パラレル切り替え式のハイブリッドシステムとなります。

加速

モーターの瞬発力で発進加速はスムーズです。

乗り心地

基本的にはしっとりした乗り心地です。試乗車は16インチを履いていますので、路面の小さな凹凸などはエアボリュームで吸収できていました。

少し大きな段差を乗り越えても、ガツンと衝撃が来ることはありませんが、車体の上屋が振られる印象はありました。ピッチングはそれなりに生じる特性です。

前席は、ピッチングセンター付近なので、快適性は高いですが、後席はかなり後方に位置しているため、ピッチングが生じたときは、それなりに振られていると思います。

特筆すべきは直安の良さ

ホンダ車らしく直進安定性は良かったです。足回りは柔らかめで、カーブでもそれなりにロールはしますが、ロールのさせ方が自然で安心してカーブを曲がることができます。

このグレードは、VGR(可変ステアリングギアレシオ)は装備されていませんでしたが、ハンドルの舵角は一発で決まり、修正舵を要することはありませんでした。ただ、舵角の大きくなる山道では、VGRがほしいなぁと思いました。

このクルマの美点は、車体をコントロールできている感が強い点です。ハンドルを切り増していけば行くほど、リニアにロールし、クルマを手の内でコントロールしている感が強いのです。

他のクルマだと、一定以上になると急にロールが始まり、カーブに突入してロールして初めてクルマの限界性能を感じるのですが、ヴェゼルは、カーブに差し掛かって切り込んでいる途中でクルマの限界性能がわかりやすく、安心してカーブを曲がることができます。

燃費

高速道路での燃費は26.5㎞/L、街乗りでは21.1㎞/Lをマークしました。

一般道ではこのくらい。

まとめ

良い点

パッケージングの良さ

全長4,330mmあまりの大きさに、ミニバン並みの後席と広さと十分なラゲッジスペースを確保しており、エクステリアもかっこよくまとめているのは、流石だなと思います。

直進安定性・ハンドリングの良さ

直進安定性はこのサイズのSUVとしては良好な部類に入ります。ハンドリングはすこぶる良く、カーブでの安定性はさすがホンダだなと思わせてくれるものがありました。

そんなに飛ばさなくても、このクルマの良さを感じ取ることができます。

イマイチな点

パワー感

直進安定性・ハンドリングの性能が高くなったことで相対的にパワー感に欠ける印象がありました。

ペダルレイアウト

ワインディングなどで気持ちの良いハンドリングを楽しみながら、アクセル、ブレーキを踏み替えていると、やはりレイアウトの悪さを感じます。

横Gを感じながら、ハンドリングに熱中し、無意識にペダルとシューズの接地性が悪く感じます。

ブレーキを踏むときは、シューズの底がブレーキペダルの左縁にあたり、アクセルペダルを踏むときはシューズの左縁でペダルを操作している印象がありました。

全高を低くした意味

先代よりも全高は低くなりましたが、1,590㎜は中途半端だと思います。もう少し低くして立体駐車場に収まる大きさにしてくれればよかったのにと思います。

もしくは、全高は低くせず、後席頭上空間のために高さを確保してくれればよかったかなと思います。