先進安全装備 ”自動ブレーキ”徹底比較 メーカーごとの違いについて

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今、数多くのメーカーが高級車から軽自動車まで安全装備を充実させています。そんな中、メーカーごとに安全装備の名称が異なり、機能の違いが分かりにくくなってきているので、その違いについて紹介したいと思います。

また記事では、カタログでわかる範囲でまとめているだけなので、ディーラーさんに尋ねたうえで、実際の感度や制御については、試乗してから確かめることをおススメします。

目次

機能一覧

機能一覧についてまとめてみました。

各機能は、それぞれのメーカーでの最高峰の技術を含めて記載しています。

車種によっては異なるので、ご留意を。

名称レーダーカメラソナー
トヨタ セーフティセンス〇/〇
ホンダ センシング〇¹×/〇¹
日産 プロパイロット〇/〇
スバル アイサイト〇²〇/〇
マツダ アイアクティブセンス〇/〇
スズキ セーフティサポート×/〇
ダイハツ スマートアシスト〇/〇
横スクロールします

衝突軽減ブレーキ性能一覧

メーカー衝突軽減(対歩行者)(対自転車)備考
トヨタ セーフティセンス10~80㎞/h80㎞/h80㎞/h夜間可
自動二輪車は昼のみ
ホンダ センシング5㎞/h以上
速度差5㎞/h以上
日産 プロパイロット明記なし
スバル アイサイト速度差60㎞/h
マツダ アイアクティブセンス4㎞/h~10~80㎞/h10~80㎞/h〇/〇
スズキ セーフティサポート15~100㎞/h15~60㎞/h明記なし×/〇
ダイハツ スマートアシスト30~80㎞/h30~50㎞/h明記なし夜間歩行者検知可

まずは、機能の違いについて説明します。

機能を左右するのが検知方式 レーダーorカメラ

先進安全装備と総称されるものの中には、様々な種類のものがあります。

まず、機能的な違いとしては、前走車との距離の測り方です。

前走車との距離を測るのに用いられるのが、レーダーとカメラになります。この違いについて説明していきます。

レーダー

長所 

  • 視界が悪くても使える

長所は、前方の視界が悪い場合でも、前走車を検知しやすいことです。

夜間でも昼間と同様の検知能力を持っています。

例えば、霧がかかっている道やトンネルに入るとき・出るときなどにおいて、人間の目では前走車を認識することが困難な状況でも、レーダーでは検知可能であるということです。人間の補助をしてくれるという意味では、心強いですね。しかし、あまりに天候不良だと検知しない場合はあります。

短所

  • コスト

カメラよりも高価なので、コストがかかります。

また、ごくまれにですが、レーダーを発する部分が、走っているうちに汚れたりすることで、前方を認識しずらくなることがあります。

カメラ

インプレッサ SPORT AT誤発進抑制制御
カメラにより前方の障害物との距離を測る

スバルのアイサイトは、前方にカメラを2つ搭載することで、前走車との距離を測ることに成功しています。対象物を立体的に認識できることから、その認識能力は、人間の目と同等とされています。

そのため、カメラは、白線を認識するとき障害物にぶつかりそうなとき前走車との距離を測るとき、ほとんどすべての場合に使われる可能性があります。

長所

  • コストがかからない

初めて安価で先進の安全技術の促進を始めたのが、スバルのアイサイトです。アイサイトがなぜ安価で安全装備の充実化を図ることができたかというと、高価なレーダーではなくステレオカメラを採用したからです。

もう一つメリットを上げるとすれば、カメラはフロントガラス、ワイパーふき取る部分に設置されているので、レーダー式よりは、汚れにくいといえるでしょう(汚れてもワイパーで拭ける)。

ステレオカメラ
アイサイトに搭載されるステレオカメラ

短所

  • 気候の影響を受けやすい

大雨・霧等の悪天候の時、トンネルに入るときや出るとき等、人間の目で認識するのが困難な場合、カメラの認識能力も下がってしまします。

また、カメラによって踏み間違いを防止する機能を担っている場合は、前面がガラスの時などは、検知できない可能性があるということです。

ガラスでなかったとしても、数メートルから数十センチといった近い距離での抑制は難しいので、やや頻繁に作動する恐れがあります(例えば、狭い道を全面ギリギリで曲がるときに壁を検知してしまったり、スロープを降りるときに地面を障害物として認識するなど、実例はあるようです)。

車線維持を支援してくれる機能が付いている場合、カメラで車線を認識するのに単眼カメラが必要となります。

ソース画像を表示
車両はホンダNボックス 

まとめ

レーダーとカメラは、それぞれに長所・短所があります。

スバルのアイサイトが登場するまでは、レーダー式が主流だったため、スバル以外のメーカーはレーダー式を基礎として安全装備を作り上げてきました。歩行者や自転車を検知しようとすると、カメラがあると精度が上がるため、最近では、レーダーとカメラを両方装着するメーカーもあります。

ただ、レーダー、カメラを搭載していても検知が困難な場合もあるので気を付けましょう。

カーブでは、前走車を認識できない
特殊な形状をしたトラックなどは、うまく検知できない恐れがある
分岐または合流付近を走行するとき
分岐や合流のある場合

ソナー

踏み間違えた際に、アクセルの出力を抑えたり、ブレーキをかける際に、ソナーにより障害物を検知しブレーキをかけるか否かの判断をします。

ソナーの特徴は、あまり遠くまで検知することはできないけれど、近い対象物については、確実に検知してくれる点です。

レーダーなどと比較して、ごく近距離しか検知できないですが、周りの障害物を誤検知したりするリスクが格段に低いのが特徴です。

そのため、ソナーは、踏み間違い時の緊急停止などを行うか否かの判断の際に使われることが多いです。

前面がガラス張りであっても、検知してくれるのは、カメラのタイプに勝る部分です。カメラにより踏み間違いを抑制するタイプよりも、誤検知が少なく、ギリギリのところで寸止めしてくれるのは、ソナータイプの方です。

レーダー、カメラ、ソナーの違い

はっきり言ってしまえば、すべて装備されているものは、レーダー、カメラ、ソナーのそれぞれを弱点を補いあえるので、最も安心できるという言い方もできるでしょう。

ですが、すべての車にすべての機能を装着できるかといえば、そうとも言えません。車の価格帯やユースによって使い分けられています。

機能の違いについて

それでは、各メーカーが採用している先進安全装備について、どのようなシステムが採用されているか紹介します。

トヨタ セーフティセンス

ミリ波レーダー+単眼カメラ 前方ソナー 後方ソナー【最新のタイプ】

すべてついています。

衝突軽減ブレーキ10~80km/h
対車両50km/h
対歩行者40㎞/h
夜間
後方誤発信抑制
右左折時 歩行者等 衝突回避
右折時 対向直進車 衝突回避

その他の安全装備

交差点衝突回避支援(出会頭車両)
交差点衝突回避支援
(右左折)
緊急時操舵支援緊急時に歩行者、自転車運転者、車両、自動二輪車と衝突する可能性が高く、自社船内に回避するための十分なスペースがあるとシステムが判断した場合で、ドライバーの回避操舵があったとき、操舵支援を行ってくれます。
プロアクティブドライビングアシスト運転の状況に応じたリスクを先読みすることで、危険に近づきすぎないよう運転支援をサポートします。
・歩行者/自転車/駐車車両へのサポート
・先行車へのサポート
・カーブ走行時のサポート
レーンチェンジアシストウインカー操作(約1秒保持)により自動でレーンチェンジを行ってくれる

もちろん車種ごとに装備内容は異なるので、注意してください。

トヨタ セーフティセンス機能の違いについて紹介 ~セーフティセンスPとCの違い~

ホンダ ホンダセンシング

衝突軽減ブレーキ5~100km/h
歩行者
自転車
後方誤発信抑制機能

ミリ波レーダー+単眼カメラ 後方ソナー

ホンダセンシングは、前方に対する踏み間違い抑制機能は、前方のレーダーが担っています。

しかしながら、2020年2月に発売された新型フィットでは、ミリ波レーダーを廃止し、代わりにワイドビューカメラを採用しました。これにより、高速走行時の急な割込みについての検知能力を上げているようです。

【フィット、2代目ヴェゼル】ワイドビューカメラ 前方ソナー 後方ソナー

レーダーは遠くの対象物をとらえるのは得意である一方、左右方向に狭い範囲でしか捉えることができません。

ワイドカメラであれば、側方からの割り込みについて対応できるため、フィットでは、ワイドカメラが採用されています。

ホンダセンシング 先進安全装備の車種ごとの違いについて

日産 プロパイロット

衝突軽減ブレーキ
歩行者
自転車
右左折時× ※1
後方誤発信抑制機能

※1 HP上では記載なし

プロパイロット2.0

日産では自動運転に限りなく近い「プロパイロット2.0」設定されます

設定車種
  • セレナ
  • アリア
装備内容
  • ハンズオフドライブ

高速道路等走行中、一定の条件下で手を離してドライブを楽しめます。

  • 車線変更追い越し支援

ハンドルに手を添えてウインカー操作するだけで、車線変更をアシストしてくれます。

  • ナビ連動ルート走行

上記2つの機能を合わせて、目的地を設定すると、ナビと連動し、目的地までのルートを自動運転してくれます。ただし、車線変更についてはドライバーがウインカー操作を行う必要がありますので、このタイミングで車線変更してみてはどうですか?と車両から提案されることとなります。

  • 360度センシング

以上の機能を安全に作動させるため、360度を7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーによりセンシング(感知)してくれます。

カメラ+レーダー 前方ソナー 

至れり尽くせりの仕様です。ソナーの数も最も多く、さすが、最も自動運転に近いだけのことはあるな、と感心させられます(ただし、スカイラインのみ)。

セレナやエクストレイルに搭載されているタイプだともう少し機能は落ちますが、それでも「カメラ+レーダー 前方ソナー」は装着されており、後方に対する踏み間違い防止装置が備わらない点もありますが、他社と比較すると同程度だと思われます。

日産自動車に設定される先進安全装備 車種ごとの機能の違いについて【プロパイロット】

スバル アイサイト

アイサイト2アイサイトX
衝突軽減ブレーキ50㎞/h速度差60km/h
歩行者35㎞/h
自転車
夜間
右左折時×

フロントステレオカメラ2つ+後方ソナー

アイサイト2の特徴は、レーダーを持たないことです。 その代わり、独自のステレオカメラを2つ搭載し、前方との距離を測ることができます。

アイサイトXになってからは、車両の四隅にレーダーを搭載し、さらなる安全性能を追求しました。

スバルアイサイト 機能の違いについて紹介

マツダ アイアクティブセンス

レーダー カメラ 前方レーダー 後方ソナー

衝突軽減ブレーキ4㎞/h~
歩行者10~80㎞/h
自転車10~80㎞/h
夜間
右左折時

マツダの特徴は、全マツダ車に対して同じ安全装備を用意している点です(最新のドライバーモニターなどはマツダ3とCX-30からとなります)。マツダ2からマツダ6まで、ほぼ同等の装備を用意しているのは素晴らしい点です。

マツダ車の安全装備についてはこちらで紹介しています。マツダ 安全性能 装備一覧

スズキ

単眼カメラ+レーダー 踏み間違い後方ソナー

衝突軽減ブレーキ15~100㎞/h
歩行者15~60㎞/h
自転車×
夜間×

車種により異なりますが、最も安全なものであれば、一通りの装備はあります。

スズキの特筆すべきポイントは、これだけの装備を装着しても価格が安いことです。安全なクルマというのはもちろん褒められるべきことですが、仮に120万円のクルマに安全装備を充実させるためにと40万円上乗せすることは、正しいとは言えないでしょう。

ダイハツ

レーダー カメラ 前方ソナー 後方ソナー

衝突軽減ブレーキ30~80㎞/h
歩行者30~50㎞/h
自転車×
夜間

ダイハツもスズキと同様、車種により多少の違いはありますが、最も安全なものとなると、トヨタのセーフティセンスに匹敵するくらいです。

その他の安全装備

【トヨタ、スバル】交差点右折時の対向直進車・右左折時の対向方向から来る横断歩行者検知機能

トヨタセーフティセンス
スバルアイサイトX

セーフティセンス搭載の一部車種及びスバルアイサイトXでは、右折時の対向直進車との衝突回避、右左折時の歩行者との衝突回避も行ってくれます。

対向直進車・右左折時の歩行者との接触事故はとても多いので、ありがたいですね。

半自動運転 自動追い越し機能・ハンズオフ機能

トヨタでは、ミライ、日産ではアリア、スカイラインなどが対象です。自動追い越し機能及びハンズオフ機能が備わりました。

対象車種

トヨタミライ
ホンダレジェンド
日産アリア、スカイライン

これは、出発地点の高速道路入り口と、目的地の高速道路出口を設定します。これにより高速道路上での半自動運転が可能になりました。

日産:スカイライン[SKYLINE] 2019年。秋。ProPILOT 2.0 (60865)

追い越しの際は、ボタンを押すか、ウィンカーを操作することで、車線変更をしてくれます。

【レクサス】レクサスチームメイト[アドバンストドライブ] 車線変更時のウインカー操作までやってくれる

トヨタに搭載される安全装備では、車線変更のサポートとして、レーンチェンジアシスト(LCA)が装備されています。ドライバーがウインカー操作を約1秒保持することで、車線変更をクルマ側でやってくれます。

対象車種

レクサスLS

レクサスのLSに搭載されるアドバンストドライブですが、このシステムは、高速道路・自動車専用道路において、ナビなどと連動し目的地までの車線・車間維持、分岐、車線変更、追い越しなどを行いながら、分岐まで運転を支援してくれる先進装備です。

車線変更

ナビと連動し、設定した目的にへ向けて、本線上での車線変更や、本線からの分岐を支援してくれます。

自動的にウインカー点灯→周囲の状況をみながらスムーズに車線変更→自動でウインカーオフ

ドライバー異常時対応システム

ドライバーモニターカメラがドライバーの姿勢が崩れる等体調の急変を検知し、運転継続が困難になったとシステムが判断した場合、自車を減速・停止させるシステムです。