ホンダ ステップワゴンスパーダ5代目 後期型 試乗レポート ターボエンジンのもたらす豊潤なトルクを実感【RP5】

ホンダ

2022年1月新型ステップワゴンが発表されました。

原点回帰と言われるフルモデルチェンジで今注目されている1台ですが、いまさらながら5代目ステップワゴンのガソリン車に試乗してみました。

どんなクルマ?

ホンダステップワゴンですが、5代目の大きな特徴は、テールゲートに備え付けられたワクワクドアがもたらす使い勝手の良さ、そして歴代最小排気量、1.5Lガソリンターボによる軽快な走りが5代目の特徴です。

ステップワゴンの系譜

初代・2代目はスクエアなボディが特徴でした。

1代目 2代目

3代目ではスタイリッシュなミニバンとなり、この頃から低床・低重心を打ち出し、ミニバンらしからぬ走りを実現しました。

3代目

また、4代目では原点回帰となり、大きく見えるデザインになりました。この5代目は、4代目を引き継ぐ形で進化したモデルとなります。

4代目

わくわくゲート

リアゲートの左半分が開閉し、狭い場所での荷物の出し入れや後席への乗り降りが可能となっています。

しかしながら、リアのデザインについては、中央に縦線が入ってしまうこと、デザインが左右非対称であることなどから、不評でした。

低床フロアなのでこのように簡単に足が届きます。

1.5Lターボエンジン

注目は、最大トルクを発生させる回転領域。1600rpmで最大トルクを発生するので、軽いアクセル操作で発進することができます。

これまで2.0Lのエンジンを搭載していましたが、ここにきてダウンサイジングとなりました。燃費の向上だけでなく、低回転からトルクを生み出すので力強い発進が可能となりました。

エクステリア

ステップワゴンの外観は、後期型になり、迫力のあるデザインになりました。

ステップワゴン前期

シンプルなデザインの前期型です。

実はすごく箱型なのですが、それをあまり感じさせないデザインは、ホンダを含め、トヨタ、日産各車は、工夫されていると思います。5ナンバーという限られた枠内で良いデザインをしていると思います。

サイドシルエットは、このとおりスクエアな印象です。

左後方から見たリアデザイン

右後方から見たリアデザイン

このようにリアのデザインは左右非対称なので違和感を覚える方もいると思います。

賛否両論のある左右非対称のリアゲートです。機能的ではありますが、デザインが微妙で販売が伸び悩んだ一因となっています。

インテリア

運転席からの見晴らしはとても良いです。

全幅もつかみやすいです。

ただし、Aピラーが前方にあり、カーブの際に、進行方向とピラーがかぶってしまい視界を遮ることがありました。

Aピラーの位置は、新型になって後方に位置したので、視界は改善しているでしょう。

ドアパネルはプラスチック感は満載です。

しかしファミリーカーですし、機能性がもとめられますから、掃除のしやすさなどを考えるとプラスチック感満載で良いと思います。

ドアパネルにあるドリンクホルダーや、インパネ助手席側のドリンクホルダーも使いやすい位置にあります。

運転席から助手席へのウォークスルーも容易です。

ペダルレイアウト

若干のオフセットがあります。

視界

右ドアミラー

死角自体少なめです。

左ドアミラー

左側も同様です。

ルームミラーからの視界です。中央に柱があるので、縦線が目に入ります。

視界は全体的に良いのですが、フロントガラスが大きすぎて、左ドアミラー、右ドアミラーそしてルームミラーを見るときの視線移動が大きくなってしまします。

サイドビューサポートミラー

アイデア賞ものです。

見える範囲も十分ですし、モニターとは違い、自然な位置で見やすいです。

しかし、日の当たり方次第では、Aピラーのプラスチックのパネルが反射してミラーに映りこむので、見にくくなることがありました。

2列目

2列目は広さ十分で長距離も疲れません。センターアームレストは、高さも保持してくれます。

足元もすごく広いです。

テーブルも装備されており使い勝手も良いです。

フロントシート下はこれだけ空いており、足置き場にも困りません。

ただし、ハイブリッド車になるとバッテリーが搭載されるのでこのようにはいきません。

頭上空間です。頭上空間は十分以上ですが、少しヘッドレストの高さが足りないと感じました。

ドアパネルの質感は低めです。

3列目

3列目は広さ十分です。

ご覧のようにリクライニングします。

フルフラットにもなります。

膝前空間

ご覧の通り十分です。2列目は一番後ろにスライドしている状態です。

2列目のシートの下にも足が入ります。

頭上空間も十分以上です。

ただし、背もたれの高さは足りないかなという印象です。

ワクワクゲートからの乗り降り

ワンタッチで3列目をたたみ、ワクワクゲートから乗り降りできます。

わくわくゲートの開閉

荷室空間

3列目を展開した状態でもこのように広々しています。

3列目を収納した状態だと、このように広大な空間が広がります。

3列目は跳ね上げ方式ではないので、窓を遮ることなく、視界を損ねないのも良い点です。

走行性能

動力性能

アクセルペダルは軽めです。

ライバル車との比較になりますが、このクラスのミニバンは、動力性能に余裕があるわけではないので、アクセル開度よりも多めにスロットルを開く傾向にあります。少しのアクセル操作で唐突に走り出してしまいます。

しかし、このステップワゴンは、トルクが十分にありその傾向がないので、扱いやすいです。

エンジン回転を上げることなく、60㎞/hくらいまでは到達できます。

80㎞/h以上の速度になると、やはりエンジンを回す必要がありますが、低回転からトルクがあるので十分スピードが出ます。

剛性

車体の剛性は極めて高いとは言えません。レンタカーということもあり、ボディから軋みを感じます。

ボディのほんの少しのゆるみはあります。

ライバル車と比較すると、セレナよりは剛性高く、ノア/ヴォクシーよりはゆるみを感じます。やはりボディが大きくなればなるほど、剛性感は小さくなります。

乗り心地

街乗り領域では、ごく普通の印象です。段差を乗り越えるとしっかり衝撃は伝えてきますし、クラス平均といったところでしょうか。

60㎞/hで走ると凄く滑らかに凸凹を乗り越えていきます。

ハンドリング

街乗りでは、ライバルと比較して特筆すべき点はありませんでしたが、高速域ではすごくよい乗り味に変わりました。

正確なハンドリング

しっかりロールします。しかし、ロールのさせ方に不安がなく、加えて前後の荷重移動があり、安心してカーブを曲がることができました。

どのくらいハンドルを切り増せばよいのかがわかります。

このクラスのミニバンを運転すると、カーブの際にどれくらい切り増せばよいかわからず、不安な状態でカーブに突入し、アンダーステアリングになってから急いで切り増すことが多いのですが、ステップワゴンはそんな心配がありませんでした。

クルージングを楽しむミニバン

ある程度スピードの高い領域だと、このクルマの良さを感じることができました。

気になった点

バックモニターの位置が中心ではないので、感覚をつかみにくい