近年車の性能が大幅に向上しています。
そこで今回はトランスミッションについて見ていきます。
目次
トランスミッションとは
エンジンの力を車軸に伝える部品のことを指します。
トランスミッションの種類
マニュアルトランスミッション(MT)
ギアの変則を運転者が行うものです。アクセル、ブレーキだけでなくクラッチを操作する必要があります。
変速をする際、クラッチを使う必要があります。変速の際、接続しているギアを外し、別のギアとつなぐ必要があるからです。
現在新車で販売されている車の中で約2%といわれています。
およそ30年くらい前は半々だったことを考えると、ここ数十年でAT車の割合が高くなったことがわかります。
オートマチックトランスミッション(AT)
オートマチックトランスミッションは、クラッチ操作が不要です。クラッチ操作と変速操作が自動化されていて運転者で操作する必要はありません。
マニュアルトランスミッション(MT) | オートマチックトランスミッション(AT) | |
必要 | クラッチ操作 | 不要 |
なし 停車時はギアと動力軸を切り離す必要があります。発進時は、半クラッチ状態を維持する必要があります。しかし、ギアが離れていることか、無駄なエネルギーを必要とせず、高効率といえます。 |
クリープ現象 |
あり クリープ現象とは、アクセル操作なしに、ブレーキを離すと、車両が発進する現象のことです。ブレーキの操作のみで走行でき、駐車時や狭い道を運転するときは、便利です。 しかし、非効率な点もあります。エンジンの始動中は、トランスミッションを通じて、エネルギーが伝わり続けることになります。ブレーキを踏むことでそのエネルギーを殺している状態になります。例えるなら、向かい合わせに置いた扇風機で、片方の扇風機を使って、もう一方の止まっている扇風機を回すようなものです。 |
プロのドライバーが運転する限りでは、MT車の方がよい加速をします。エンジンの持つ力を目一杯まで使い切ることができます。 |
スピード | ATの場合、運転者の技量による差が少ないのが特徴です。そのため、ごく一般的なドライバーが運転する限りは、AT車の方が加速タイムは速いといえます。 |
カタログ燃費良し。 しかしプロドライバーが運転する限りにおいてである。一般的なドライバーが運転するなら、AT車の方が燃費は良い。 |
燃費 |
一般人なら燃費良い。 理論上は、MT車の方が効率が良いので、燃費は良くなるのだが、MT車を使いこなせる者が運転する場合に限る。
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CVTとは?
CVTとは、変速ギアを持たないトランスミッションといわれています。コンティニュアスリーバリアブルトランスミッションの略です。連続可変トランスミッション、無段変速機といわれたりします。
二つのプーリーをベルトでつなぎ、ベルトの位置を変えることで、連続的な変速が可能となる。常に最適なギア比を取ることが可能となるため、燃費向上が期待できるといわれます。
具体的には、段付きのない加速で、エンジン回転数が一定のまま加速し続ける点が特色です。
デメリットとしては、まず加速感です。メリハリのある加速ではなく、エンジン回転数と加速感に一体感が少ないという点です。回転数だけがぐっと上がって、と遅れて加速が始まるというようなエンジン回転と加速にズレが生じることが多いです。
また、別のデメリットとしては、走行シーンによっては燃費が向上しない点です。例えば山道など回転数を上げ続ける必要のある場面では、エンジンプログラムがエンジン回転数を一定に保とうとするがゆえに、回転が上がりっ放しになり、燃費が低下するのです。CVTは普通のATと比べ、部品点数が多くなるため、重量もかさみます。
よって俊敏な加速を要する場面には向かないといえます。(あくまで一般的にいうと…なので例外もあります)
DCTとは?
DCTとはATの一種です。デュアルクラッチトランスミッションの略で、2つのクラッチを持っている機構です。
一般的なATとは異なり、1,3,5速のギアと2,4,6速のギアに分かれていて、1→2にシフトアップする際、2のギアがすぐシフトチェンジできるよう準備しているため、速やかにシフトチェンジが行えます。
MTの素早い変速とATの自動化のいいとこどりをしています。欧州車に多く見られるトランスミッションです。
日本車ではホンダフィットに搭載されていものが有名です。
当然、デメリットもあります。1,3,5,速と2,4,6速とギアが分かれているため、部品の数が増え、重くなる点とコストがかかる点です。
また、これはフィットのデメリットになるかもしれませんが、機構が複雑なため不具合が起こりやすくなることです。フィットの3代目はこれまでに3度のリコールがありました。それほど機構が複雑なのです。
CVTの弱点であるエンジン回転と加速感のズレがなくなり、リニアな加速が楽しめます。反対に、変速ショックがおきくなるというデメリットも存在します。
今後来るトランスミッションは?
最近再びノーマルのATが見直されています。その理由は、変速のリニア感とCVTやDCTと比べると比較的シンプルな機構にあります。
また再びAT時代が来るかもしれません。
また、運転の楽しさを求める風潮から、ジムニーやカローラスポーツがMT車をラインナップしていたり、CX-5がMT車を追加したりとMT車ブームが来つつあります。
またホンダのi-MMDハイブリッドでは、変速機を持たない車も現れています。
自動車業界の多様化が進んでいて今後が楽しみですね。
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