メルセデスベンツが、昨年Sクラスに直6エンジンをラインナップに入れました。
これまでV型エンジンが主流でしたが、直列エンジンが見直されてきた理由を見ていきましょう。
目次
かつては直6エンジンが主流だった
トヨタクラウンでも11代目までは直6エンジンが搭載されていました。当時の高級車は直6エンジンが主流でした。
直6エンジンのメリットは、なんといってもエンジンの滑らかさです。
構造的に6気筒エンジンは、ピストンの上下により生じる振動が打ち消しあうことで、きわめてスムースに回転するようです。
そのため当時の日産、トヨタなどの高級車では直6エンジンが搭載されていました。
なぜ直6が廃れたのか?
しかし、時代の移り変わりとともに、直6エンジンは搭載されなくなりました。
一つは安全性です。一般的に直列エンジンは気筒が直列に6つ並んでいるので、エンジンの全長が大きくなってしまいます。
そうすると衝突の際に、キャビンに侵入を抑えることが難しくなるというデメリットが生じるのです。
その点、V6エンジンだと、3気筒、3気筒をVの字型に配置しているので全幅が広くはなってしまいますが、前後長を抑えることができました。
また、FFが主流となるにつれ、レイアウトの自由度が高いV6エンジンが好まれるようになったことも挙げられます。直6と比べて振動面で不利とされてきたV6エンジンですが、様々な工夫を凝らすことで振動の低減も実現しています。(と同時に振動を抑える部品などが必要となり重量増となってしまいましたが)
そうして世の中から直6エンジンが姿を消すことになりました(厳密にいえばBMW などでは一部直6エンジンが残ることになりますが、大衆車ではほとんどがV6エンジンとなってしまいました)。
再び注目される直6エンジン
しかし、近年直6エンジンが見直されてきました。
直4 ダウンサイジングターボの台頭が関係している⁈
直4エンジンと直6エンジンは構造が似ていることから、開発コストの削減につながるといった利点があります。
ダウンサイジングターボが台頭した今、各社が直4エンジンの開発に力を入れています。直4エンジンで培ったノウハウをそのまま直6エンジンに応用しやすいため、開発コストの低減につながるのです。
また、これもコスト低減と関係があるのですが、V型エンジンだと必要となるエンジン部品が多くなりますが、
直6だと構造がシンプルなため重量も軽く済み、コストも削減できます。
直6エンジン搭載車
今旬な車で直6エンジン搭載車を一覧にまとめました。
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