目次
結論
1.6Lはお勧めできない!
と結論から書いてしまいました。XV 1.6Lに限った話であって、私の独断であるということをご承知おきください。
まず、アクセルレスポンスが良くありません。
その原因は2つあると思われます。
1つ目の理由は、
CVTがダイレクト感に欠けている
CVTは登場当初は、エンジン回転と実際の速度にズレがあり、先に回転がぐっと上がってから、遅れて速度が上昇する傾向があり、CVT嫌いの人も多かったです。
今ではCVTの制御も上手になり、多段階ATと遜色ないほどの仕上がりを見せるものも登場しています。
しかし、スバルのCVTは、制御がうまくはありませんでした。
2つ目は、
エンジンのトルクが小さい
CVTの制御がうまくないことに加え、ある一定のアクセルの踏み込み量を超えると、エンジンが大きめに回りだすのが気になりました。いわば、アクセルレスポンスが、ある領域以上になると、急に鋭く感じるのです。
CVTとエンジンとがそれぞれ、ドライバーの意思とズレていることから、感じるストレスは大きなものでした。
おそらくエンジンのパワー不足を感じさせないために、アクセルの踏み込み量に対して、大きめにスロットルを開く制御にしているのだと思います。
結果、踏み込み量と加速がリンクしない上に変速ショックも大きめという、何一つ良いところがない加速フィールとなってしまいました。
エクステリア
写真を撮り忘れました。
借りたのはダークブルー・パールというボディカラーでした。
スバルらしい質実剛健なエクステリアは好みが分かれそうです。
インテリア
インテリアも同様の印象で、質実剛健、機能的なデザインです。
気になったのが、インテリアの操作感です。質感は低め、ウィンドウスイッチやドアノブは、他メーカーでいうと1世代前の質感です。
シフトレバーは、電子制御ではなく、しっかりとシフトチェンジの手ごたえが伝わってくるタイプです。
また、パーキングブレーキの作動状態を示すスイッチは、日中だと点灯しているかどうかわかりにくかったです。
シート
室内は、とても広かったです。特に頭上空間は、マツダ車と比べて余裕があり、また、シートレイアウトも後席の方が高めになっているので、前方の見晴らしは良かったです。
フロントシートは不満な点は見当たりません。
リアシートは、頭上も広いし、足も奥まで入るので広々ですが、ヘッドレストの高さが足りない。ここはもったいないと思います。
私は特別背が高いわけではありませんが、ヘッドレストの高さが足りませんでした。シートバックの高さが足りないわけではないので、もったいないと思います。
後席は広々
足元が広々している上、座席の下に足も入りやすく快適でした。
足元も広々。これだけ広ければ後席に座る人からも不満は出ないでしょう。
ペダルレイアウト
アクセルペダルは吊り下げ式のタイプです。ペダルのレイアウトは、悪くはありません。しかし、元気よく走ろうとすると、アクセルペダルの踏みこみは大きめになるので、長いこと乗っていると少し疲れるかなぁという印象です。
まず、エンジンを始動して感じたのは、ブーンという うなり音が耳まで結構入ってくることです。最近静かな車にばかり乗ってきたので余計にそう感じたのかもしれません。
ハンドルは結構重めです。
視界
運転席に座って感じるのは、視界の良さです。左Aピラーの視界はもちろんのことながら、右ドアミラー周辺の視界もばっちりです。
しかし、少し気になったのが、前方・左側面の死角です。XVはインプレッサに比べて車高が高いので見晴らしは良いのです。しかし、駐車場に入るため、歩道を乗り上げて曲がっていくような場面で、左側の死角が大きいように感じます。
ボディデザインがハッチバックスタイルですが、実際は、車高が高いため死角が大きく感じました。XVと同じくらいの最低地上高を確保しているクルマであれば、Aピラーも直立に近く、シートポジションも高い車が多いのですが、XVはAピラーは寝ていて、シートポジションも低めなので、余計に見えにくく感じるのだと思います。
また、ライバル車と比較すると、
C-HR(全高1,550㎜):補助ミラーが標準装備
CX-30(全高1,540㎜):左側面を映し出すモニターが標準装備
ですが、XV(全高1,550㎜)の場合そうした装備が標準装備されません。もちろんオプションで用意されているので不安な方は装着すべきでしょう。
後席の窓が大きく視界が良いことから、左折時の巻き込み確認はしやすかったです。
ドライブフィール
SUV風のゆったりとした乗り味
乗り心地は、ゆったりとした乗り心地です。マンホールを乗り越えると適度に衝撃を吸収し、ゆったりとした上下動を示します。大型バスといえば大げさかもしれませんが、乗り心地の良いミニバンのような動きをします。
荒れた路面であっても不快な思いをすることはないでしょう。
しかし、中高速域では、ハンドルの遊びが大きいように感じました。
問題は加速フィール
車重1.4トンで排気量は1.6Lなので、過度な期待はしていませんでしたが、乗ってすぐに1.6Lだとわかるフィーリングなのは残念でした。
まず、エンジン音です。結構耳に入ってくるなあと思ってしまったのは、遮音性が高くないことに加え、エンジン音も良くないことが起因していると思います。
発進加速は悪くありません。発進してから一定の速度で走ろうとするときに妙な引っ掛かりを感じます。いわゆるシフトショックでしょうね。それが断続的に続くシーンがありました。
シフトショックは本来あってよいものではありませんが、それによってダイレクト感のある走りが楽しめるのであれば、ありだと思います。しかし、XVショックは、ダイレクト感に欠けるシフトショックです。
原因は2つ
一つは、エンジンの出力をペダルの踏力以上に出していること。
もう一つが、単にCVTの出来が悪いこと。
一つ目のアクセルの踏み込み以上に出力する特性は、パワー不足のクルマにありがちです。理由としては、発進時に出だしを良くすることで、パワー不足感をなくすためです。
XVは、中間加速でアクセル操作以上の出力を感じました。この出し方が良くありませんでした。アクセルを踏みんでは緩める、踏んでは緩めるのように断続的に走るのであれば、良いですが、一定速度で走ろうとすると繊細なアクセルワークを必要とします。
これは、おそらく、追い越し加速で不満を感じさせないためだと思われます。
急にアクセルを踏む場面では、割と素直に反応してくれました。
そしてもう一つがCVTの出来の悪さです。アクセルレスポンスの良い領域であっても、CVTの伝達がうまくいかないので、思ったほど加速は良くありません。
アクセルレスポンスの良くない領域だと、アクセル操作に対する遅れと、CVTの伝達の悪さが相まって、ツーテンポくらい遅れて加速を始める、そんな感じでした。
上級グレードは、この間マイナーチェンジで2.0Lは全車e-BOXERとなりましたが、ゆとりのあるパワーとモーターによる滑らかさで、全く別の乗り味だと思われます。
ハンドリングはあいまいさを感じる部分も…
ハンドルは重めですが、直進安定性は思ったほど良くありません。このシャシーとSUV特有のの扁平率の高いタイヤは合っていないのかもしれません。
中高速域では、ハンドリングにもあいまいさを感じました。
アイサイトありきの乗り味?
そこで高速域でアイサイトによるハンドル支援とクルーズコントロールを使用してみたのですが、この乗り味が良かった。
欠点のアクセルレスポンスは、アクセル操作をしないので、当然気になりません。むしろ自動的に速度を維持してくれているときは、加速の遅れも見られません。
ハンドリングについても、先ほど感じたあいまいさを感じず、直進安定性も高くシャキッとした乗り味になりました。
アイサイトは予防安全装備であり、ドライバーの運転操作を補助するものですが、ここまで乗り味が変わってくると、アイサイトありきの乗り味なんじゃないかなと思えてしまいます。
自動運転がもたらすもの
今や自動車においては、アクセル操作、ハンドリング、ひいてはサスペンションに至るまで電子制御が組み込まれています。あらためて電子制御、ひいては自動運転技術がもたらす効果は絶大なんだと感心しました。
クルマは、乗り手によってアクセルの踏み込み方、ハンドル操作の仕方、ブレーキの踏み方それぞれ異なり、それによって乗り味も異なってきます。
例えば、ハンドル操作に対して機敏な味付けは、緊張感をもってスポーティに走りたい人には好ましいですが、落ち着いてゆったりと走りたい人には不向きです。
自動運転が可能になれば、アクセル操作メーカーが期待した乗り味をそっくりそのまま提供できるという点では良いでしょう。
求められる乗り味とは?
しかし、自動運転ありきの乗り味というのは、スバルの企業イメージや目指している理念からすれば、それは本望ではないのかなと思います。電子制御するな!というのではなく、あくまで電子制御を感じさせない乗り味が目指すべきものではないでしょうか。アクセルレスポンスについても同様です。
スバルには、電子制御感を感じさせない自然な乗り味を目指してほしいです!
最後に 燃費
高速域では15.9km/Lを記録しました。
街乗りでは、12.0㎞/L
総合して13.0㎞/Lほどでした。
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