フィット3代目に搭載されるハイブリッドシステムは、「SPORT HYBRID i-DCD」と呼ばれ、1モーター+7速DCTを搭載し、燃費の良さと走りの楽しさを両立しています。
現在、ホンダはe:HEVというハイブリッドシステムに移行し、今後I-DCDを搭載する車種は展開されない見通しです。しかし今もなお、ホンダファンの間では、そのスポーツ性を評価し、他車種への搭載を望む声もあるくらい人気のあるパワートレーンです。
目次
SPORT HYBRID i-DCD(スポーツハイブリッド i-DCD)の特徴
まずは、そんなi-DCDを搭載するハイブリッドに試乗し、メリット・デメリットを紹介したいと思います。
メリット
スポーツ性の高さ
トヨタを筆頭とするストロングハイブリッドでは、エンジンの回転数と加速感が一致しないという弱点があります。フィット3ハイブリッドは、エンジンと1モーターを搭載し、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載するシステムとなります。2つのクラッチを有することから、シフトチェンジが素早く行え、スポーツ性能を高く評価されています。
高速合流時ではエンジン回転のふけ上がりの良さや、CVTにはないダイレクトな加速感は素晴らしかったです。
また、1モーターなので、モーター走行できる領域も限られているため、エンジンが主体であることからダイレクトな加速感を実現しています。
不自然な感覚が少ない
ハイブリッドカーは、減速時にモーターで走行エネルギーを電気として回収する、回生ブレーキを行います。
スポーツハイブリッドi-DCDは、エンジン主体なので、回生ブレーキの際もさほど不自然さは感じず、ブレーキも安心して踏み込むことができました。
デメリット
複雑さがもたらすギクシャク感
このようにスポーツハイブリッドi-DCDは、システム機構が複雑です。具体的には低速走行時の発進時や減速時に、ショックを感じます。
モーター駆動の開始、停止時あるいは、シフトダウン、シフトアップ時にショックを感じることがあります。
特にひどかったのが、減速時で、シフトダウン、モーター回生のショック、エンジン停止のショックの3つのショックが連続で生じます。ショックのオンパレード。
思ったほどよくない燃費
複雑なハイブリッドシステムを搭載する割には燃費が良くないです。
モーター走行できる領域は、ごく限られており、発進後2秒間くらいしかEV走行はできません。
ハイブリッド”Lパッケージ”33.6 ガソリン1.3L”Lパッケージ” 24.6
エンジン始動音はそれなりに入ってきます。
もちろん、高速では余裕で20㎞/L以上をマークしておりました。
非効率性
燃費と関連しますが、システムが複雑なため、車両重量も110㎏ほど重くなっており、加速性能も思ったほど大きくありません。
高速巡行時では、モーターのトルクは感じられず、純粋な1.5Lガソリンエンジン車の走りです。
e:HEVと比較して
それでは、スポーツハイブリッド i-DCDとe:HEVの違いをまとめていきたいと思います。
燃費
e:HEVの方が良いです。モーターで走行できる領域が広くなっています。
質感
これもe+HEVの圧勝です。まず静か、それでいて、発進時からトルクが発生するので、意のままに走行することができます。エンジン始動の仕方もうまく、車速が上がり、ロードノイズが発生するようなタイミングでエンジンがかかりますから、いつエンジンがかかったのかわかりません。
走行フィーリング
これも実はフィットに搭載されるe:HEVなら、こちらの方が良いと思いました。初期の頃のe:HEVは、フル加速でもエンジン回転数が一定で、速いけどスクーターのようなフィーリングでしたが、フィットに搭載されるe:HEVは、疑似的ではありますが、シフト変速しているかのように加速します。静粛性も高く、エンジン音も気持ちが良いので、i-DCDよりもe:HEVの方が上回っていると感じました。
結論
ホンダのハイブリッド全車e:HEV化に、私は賛成です。フィット3に搭載されるi-DCDとフィット4に搭載されるe:HEVを比較する限りにおいては、e:HEVの方が上回る点が多かったです。もちろんi-DCDが今の時代に登場していたら、より洗練されたものになっていたかもしれません。
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