目次
走行性能
走行性能は、年次改良でここまでよくなるか!と脱帽しましたので、どのように良くなったのか紹介します。
試乗車は、扁平率65%の17インチを履くモデルです。
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パワートレーン
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エンジンは馬力、トルクともに従来通りで変わりはありません。今回の改良での変更ではないかもしれませんが、どこかのタイミングで、アクセル開度に対するレスポンスの見直しといった改良があったかと思います。
ガソリンエンジン改良前との比較になりますが、常時エンジン回転が高めに維持されているような印象がありました。
そのおかげもあってか、少し強めに加速したいときに、前のモデルだとキックダウンしていたシーンでも、
シフト変速無しにスムーズに加速してくれる印象があります。一般道だけでなく、高速道路でも加速のスムースさを感じられました。
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しかし、エンジン回転が上がっている領域が増えたことで、前モデルと比較して実燃費は下がってそうな気がします。
静粛性の向上
アイドリング時の静粛性が格段に向上していました。アイドリングストップからの復帰時も振動が少なく、CX-30の2.0L NAモデルに搭載されるマイルドハイブリッドに肉薄するスムーズさです。
しかもマイルドハイブリッドで見られる、減速から停止時にかけ生じる、ブレーキタッチの悪さもないので、非常に好印象でした。
滑らかさの向上
高速道路などでジョイントを乗り越えたときの収まりの良さに感動しました。
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これまでのCX-5も決して悪くはなかったのですが、ジョイントを越えたときの挙動に、
すこし前の世代の乗り心地の良いセダンのような、上下動がありました。昔のトヨタ系のセダンなどにありがちな、ゆっさゆっさと上下動がある印象です。
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しかし、改良型のCX-5では、ピッチングがほとんどなく、フラットに滑らかにジョイントを乗り越えていきます。高速道での静粛性の良さも素晴らしく、ものすごく快適でした。
正直、これまで乗った車の中でも、かなり乗り心地が良い部類に入ります。静かだし、揺れないし上下動なくフラットだし、この乗り心地の良さだけでも、cx-5を選ぶ価値はあると思います。
体に伝わってくる振動の低減には、シートの変更による効果もあるのでしょうね。
ただし、大きめの突き上げがあった時にボディが共振する様子はありました。ただしこれも、ボディをより強固にすれば、乗り心地にも不利になるし、イタチごっこなので、これで良いと思います。
ピッチングの少なさ GVC+の効果? レーンキープアシストの効果?
試乗車は、CTSはついておらず、レーンキープアシストのみ装着されていました。
レーンキープアシストは、基本的に常時ONとなっており、右下のスイッチでオン・オフの切り替えができます。
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今回、改めてLASをオン・オフを切り替えたところ、車両の挙動が大きく異なることに気づきました。
LASが作動してる状態だとピッチングが抑えられています。
LASがすごいのかGVC+がすごいのかわかりませんが、LAS自体の作動がかなり自然で、作動に気づかない方も多いのではないかと思います。
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他メーカーのレーンキープアシストだと、結構ハンドルを持っていかれるのですが、
マツダのLASは、作動しているかどうかわからず、車線をはみ出しそうになって初めて、作動しているのに気づきます。
しかし、このLASを切ると、車両のフワつきや前輪の浮き上がりが生じ、挙動が不安定になることがわかります。
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このLASを切った状態でも、改良前のモデルと比較すると、車両の挙動は安定していましたし、乗り心地は良かったです。
LASの車線を読み取る機能を、GVC+と協調させているのか、ハンドルの手ごたえが増し、直進安定性があがったかのように感じました。
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あらためてcx-5の意義を考える
cx-5は2代目が登場してから結構時間がたっています。正直、設計の古さは否めないですので、改めてcx-5の意義について考えたいと思います。
cx-30と比較してどうか?
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cx-30は、全長で14㎝、全幅で約5㎝、全高で約15㎝コンパクトです。動的質感でいえば、2.0lガソリンはマイルドハイブリッドを搭載し、静粛性などを上げてきましたが、cx-5と比較するとどうでしょう?
これが意外や意外。私はcx-5も負けていないと感じました。前はcx-5の重量だと重さを感じるシーンがありましたが、改良後のモデルが力不足を感じさせない制御になっていました。
特に、静粛性については、CX-30と遜色なく、(ごく低速時で感じるギクシャク感が生じることを踏まえると)マイルドハイブリッドの必要性も感じませんでした。乗り心地の良さも魅力です。価格もあまり変わらないので、CX-5はなかなか魅力的だなと思いました。
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ただ、ハンドリングやコックピットに座った時のワクワク感は、CX-30の方が上回ります。純粋な走る楽しさでいうと、CX-30かなと思います。
cx-60と比較してどうか?
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サイズは、全長で約17㎝、全幅で約5㎝、CX-60の方が大きくなりますが、
最小回転半径はCX-5が5.5m、CX-60が5.4mでサイズの大きさと逆転します。
コストパフォーマンスの高さは、cx-60もなかなかのものがあります。特にベースグレードで比較すると、cx-5 のベースグレードは2.0L、CX-60のベースグレードは2.5Lであることを考えると、お買い得感はCX-60の方があるようにも思います。
CX-5 2.0Lガソリンエンジン FF | 2,766,500 円~ |
CX-60 2.5Lガソリンエンジン FR | 2,992,000円~ |
CX-5の商品力が上がりすぎたことにより、乗り心地や静粛性にクルマの良さを感じる人にとっては、CX-5の方が良いかもしれないし、マツダクレジットの支払いシミュレーションでは、モデル末期のCX-5の方が残価率が高かったりします。
また、全長、全幅がCX-5より大きいにも関わらず、室内空間は大差なく、価格もCX-5には標準装備されているものも多いので、オプション装着していくとそれなりの価格差になりますし、悩みどころは多いです。
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走りの面では、CX-60はFRを採用しているので、気持ちの良いハンドリングを味わえます。FRならではのハンドリングの良さを味わいたい、新開発の8ATを搭載するなどドライバビリティの高さでいうとCX-60だなと思います。
結論 CX-5は良くできたクルマ
CX-5の完成度の高さに驚きました。いつフルモデルチェンジかわかりませんが、完成の域に達したCX-5を、あえて今、新車で選ぶ理由は十分あると思いました。設計が古いからとCX-5を選択肢に入れないのはもったいないです。
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CX-30やCX-60と比較してみましたが、マツダのSUVはどのクルマも魅力あふれているので、気に入ったクルマに乗れば後悔はないと思います。
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