ひそかに前から気になっていたマツダロードスターに試乗しました。
目次
エクステリア・インテリア
ため息が出そうなほど、かっこいいですね。
このデザインだけでも、買う価値ありだなと思いました。
借りた車両は16インチを履いていました。
運転席からの視点も普通乗用車では得られない、路面に近い運転視点なので、とても新鮮でした。
ただ、周りの車と比べて格段に車高が低いので、自車が見えているのかなと不安に感じることはありました(絶対見えているはずなんですけどね(笑))。
ドアトリムの上部もボディカラーと同色のパネルが装着されます。
オープンにしたときに一体感が出ます。
ペダルレイアウト
まあ、マツダ車なので、文句はございません!
ただし、左足のすぐ下がトランスミッションがせりだしていることにより、圧迫感はありました。
走行性能
今回借りたモデルは、初期型なのでエンジンも改良前となりますし、KPCも装備されていません。その点を踏まえて、レビューをご覧ください。
最高出力 | 96kW[131PS]/7,000rpm |
最大トルク | 150N・m[15.3kgf・m]/4,800 |
トランスミッション | 6AT |
乗り心地
まず一般道での乗り心地ですが、路面とのコンタクトが近く、小さな段差や凹凸に対して素直にクルマが反応する印象があります。
例えば、白線をまたいだ時にも振動は伝わってきますし、うねった路面なんかでは乗員もそれ相応に揺られます。
運転というスポーツをしているような印象がありました。
フロント、リア50:50の重量配分を追求し、ハンドリングを徹底的に追求しました
ただ、快適に移動できるかと聞かれると、快適ではない、となるでしょう。
しかし、これらの振動が不快かと聞かれると、不快ではないです。
あくまで運転を楽しむクルマと割り切れる必要はあると思います。
動力性能
試乗した車両は、6AT車でした。加速感は、ATでありながら回転を上げて引っ張る設定だったのできびきびと加速してくれます。アクセルオフの時もエンジンブレーキもしっかり効き、スポーティな設定でした。
1.5Lエンジン
走行モードの切り替えもでき、スポーツモードだとかなり攻めた印象で、MTで高回転まで回しているかのようなシフトフィールでした。
安定性
重心は低く、基本的な安定性は高いと思います。
しかし高速のジョイントなどを通過すると、上下動は生じます。
その上、FRだからか、フロントが軽くて、ひょこひょこした動きが気になりました。よく言えば、ハンドル操作に対して機敏に反応するといえますが、悪く言えば、落ち着きが足りないともとれます。
オープンカーとしての限界
ボディ剛性は、最近のクルマと比較すると、とても剛性が高いという印象はありませんでした。オープンカーなので、凸凹を乗り越えたときに、ボディがねじれる動きはありました。マツダ車で比較すると、マツダ3と比べるとボディ剛性は低いと感じると思います。
ハンドリング
ワインディングロードでのハンドリング、これがロードスターの真骨頂ですね。
まず、乗り心地の項目でも述べた通り、路面の状況はわかりやすいです。それに加えて後輪が駆動するので、
アクセル操作に応じてサスペンションの沈み込み量が変わる特性があります。
カーブを曲がっていく際、カーブ手前でアクセルを緩めて、フロントに荷重をかけ、
カーブに差し掛かったところでハンドル操作し、徐々にアクセルを踏み増していくとリア駆動も加わり、進行方向へのモーメントを生み出してくれます。
この一連の動作が、気持ち良い。
この動きはFRでないと出せません。
長所
日常領域でも感じられる楽しさ
ロードスターの美点は、運転する楽しさを日常領域でも感じられる点です。
最近の車は性能が上がってきており、法定速度内で走る分には、性能を持てあますことも少なくありません。せっかくトルクフルな走りが楽しめるのに、街中を走る分には、特に普通の車と変わらなかったりすることがあります。高速道路などですいている時しか、そのクルマの真骨頂を発揮できないクルマは意外と多くあるものです。
しかし、ロードスターは、法定速度内でも楽しめる良さがあります。
短所
高速クルージングは苦手か?
反面、一定速度で巡行するなどの場面では、ハンドルに機敏に反応してしまうあまり、車両の落ち着きのなさを感じるかもしれません。
スポーツカーはFRに限る?
運転が楽しいクルマはFRだとか、FF車は運転が楽しくないとかそういう意見も、まだまだあります。
確かにFRならではのハンドリングの楽しさやアクセル操作に対し、素直に反応する特性はあります。
しかし、だからといって、FF車が退屈なのかといわれるとそうではありません。
味付けの違いもあるでしょうが、最近のFF車も、ものすごく素直なハンドリングを実現しています。かといってロードスターを悪く言うわけではありませんが、そこそこの性能で、コスパ良く乗りたいというのであれば、選択肢は他にもあると思いました。
夏は暑い
ソフトトップなので、炎天下で駐車していると車内はとても暑くなります。シートベルトの金具も暑すぎて触れない程でした。ここはオープンカーの宿命ですね。静粛性の面でも、外の騒音が近くに感じるので、同乗者との会話を楽しみながら、ゆったりドライブするようなシーンには向かないと思いました。
結論 ~ロードスターにしかない世界観がある!~
まとめに入りたいと思います。
じゃあロードスターは、買いなのか?このクルマの魅力を感じることができる人は、買いです。
先ほど、ボディ剛性の話でマツダ3を出しましたが、まさにここに答えがあると思います。マツダ3を引き合いに出すと、加速の速さ、ボディ剛性の高さなど客観的な数値で比較すると、ほぼすべての項目でマツダ3が上回ってくると思います。
けれども、マツダ3がロードスターよりも、楽しいクルマかといわれれば、そうとは言えません。ボディ剛性が高すぎるがゆえ、加速しても車両が安定しすぎであることと静粛性が高すぎることにより、相対的に非力感を覚えますし(実際は非力ではありませんが、あくまで印象の話)、性能が高すぎても、退屈な場合があるのです。
正直このデザインだけでも買う価値あると思います
ロードスターはどうでしょうか?超絶パワフルとは言えないエンジンで回転を上げて走り始めると、自分のアクセル操作でカーブを曲がっていくことができます。安定感も程々なので、エンジンを回していくスリルを味わえますし、心地よいエンジンサウンドもあるので、これ以上のパワーは必要ないという風に感じるのです。
それに、徹底的に前後重量バランスを50:50にこだわったシャシーとハンドリングの素直さは、このクルマでしか得られない世界観だと思います。そういったものを求める人にとって、ロードスターに代わるクルマがありません。そうしてロードスターファンになっていくのでしょう。
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