マツダ3 法人仕様15Cに試乗~廉価グレードでもしっかりスポーティ!動力性能、乗り心地やいかに?~

マツダ

タイムズのカーシェアでマツダ3を試乗しました。

レンタカー仕様なので、カタログには記載されていませんが、201万円~で販売されています。

年式は初期モデルですのでそれを踏まえ、ご覧いただければと思います。

幻のグレード「15C」

マツダ3には、HPやカタログには載っていない、幻のグレードがあります。法人仕様としてレンタカー向けのグレードになり、装備は簡略化されています。

しかしながら、一つ上の15Sと比較しても、安全装備類は削られることなく、アルミホールキャップ、シフトノブなどの装飾が省くことで価格を下げています。

なんと、マツダ自慢のハーモニックアコースティックも搭載されています。ここらは標準にしておいた方が作り分けせずに済むので、コストは抑えられるのでしょうか。

エクステリア

市販グレードは、全グレードアルミホイールが装着されます。法人向けのグレードではホイールキャップとなります。

僕が一番好きな角度です。

クーペにも見えるし、ワゴン的要素もある。イケてるハッチバックです。そして後席の頭上空間も確保されている。

陰影がはっきりするので、ダーク系の色で乗りたいですが、シルバーでも十分スタイリングの良さはありました。

むしろ、ホイールキャップと相まって、シルバーの外装だと、親しみやすい”ワゴン”っぽさが出てよいのではないでしょうか。

最近のマツダはデザインが良すぎなので、ダーク系のカラーを選んでしまうと、汚れていたら恥ずかしいとか、自分自身の服装にも気を遣ってしまいます。これくらいの親しみやすさがあると、これはこれで魅力があります。

インテリア

インパネ

インパネ周りですが、写真でもお分かりだと思いますが、質感はめちゃ高いです。

これだけ質感が高いとそれだけでも選ぶ価値がありますね。

あと座って気づいたのが、「しっくり」くることです。

インパネって実はすごく奥深くて、例えばハンドルの位置一つとっても、角度も違えば太さも違う。自由に設計しているように思えますが、車高であったりペダルの位置であったりだとか、様々な制約のもとでデザインされます。

マツダ3のコックピットは、すべてつじつまが合っていて、しっくり来たのです。シフトレバーの位置、ナビ画面の角度、エアコンのボタン等すべてが使いやすく、視認性にも優れていました。特にハンドルは、調整の幅も広く、ずっと握っていても疲れない高さであったのが印象的でした。

ハンドルとメーターも被ることなく視認性にも優れていました。

視界

低いクルマですが、見晴らしは良く運転しやすかったです。ルームミラーが前方の視界を邪魔することもなく、運転しやすいと感じさせるものでした。

左ドアミラー

ドアミラー付近の死角を少なさも良かったです。

右ドアミラー

右ドアミラーの視界も良好です。右ドアミラー付近は車種によっては、Aピラーの圧迫感が大きくなりがちですが、そこら辺もうまく設計されていました。

ペダルレイアウト

文句なしです。

ここら辺はマツダであれば大丈夫と言えるようになってきましたね。踏み間違いによる事故が減らせるのはもちろんのこと、運転の疲労も少なくなります。

エアコンはマニュアル

価格を落とすとなるとこうしたところで差別化するしかないのかもしれません。ちなみに15Sもマニュアルエアコンです。15Sツーリング以上でオートエアコンとなります。

後席

つくりこみが立派です。

アームレストも高さを維持できるタイプになります。

何度も言いますがこのクルマ、このグレードは201万円から買えます。

図上空間

マツダ3の本革シートに乗ったことがあるのですが、頭上空間が狭かったのを覚えています。デミオの後席と同じくらいじゃないかなという感じでした。

今回改めてマツダ3の後席に座ってみると、あら驚き、結構広いではないですか⁈

おそらくシートの生地によって沈み込み量が異なるのでしょう。ファブリックシートだと柔軟性があるので、クッションの沈み込みが大きいので窮屈感か少なく感じたのでしょう。これなら普通に使えるのではないでしょうか(ちなみに私は身長175㎝の胴長です)。

ヘッドレストの高さも十分です。

後席からの視界はこんな感じです。

開放的とまではいえないです。

走行性能

さて、お楽しみの走りについてです。結論から言うと、万人受けするわけではないが、かなりスポーティな味付けであることは分かりました。

動力性能

マツダ3においては、評論家の方の間では、1.5Lの出来がよく評価が高く非常に楽しみにしておりました。

結果としては、期待が高すぎたせいか、少し物足りなく感じてしまいました。それはこのマツダ3の他の完成度が高すぎることにも原因があると思います。

シャシーの性能が高い故、スピードを上げても高揚感は少なく感じるでしょう。不安定感は皆無なので、良いところなのですが、一方でシャシーの性能と動力性能に差があるので、余計にそう感じるのでしょう。

まず、発進加速としては、ごくいい意味で普通、ナチュラルです。もう少し軽くても良いかなと思いますが、アクセル操作に嫌なところは一切ありませんでした。それよりもハンドルの重さが気になりました。マツダ2やCX-5などは、もっとハンドルが軽く、マツダ車に対してそのようなイメージを持っていましたので、重く感じました。

乗り心地

初めに驚いたのが車両の挙動です。たいていのクルマは、街乗り領域だと特に前輪がうごいて、後輪が動くというようにトン、トンという振動の伝わり方をします。大げさな言い方をすると、前輪で衝撃を受けると車が少し上を向き、後輪で衝撃を受けるときはすこし前かがみになる、そんな挙動が出るはずです。

4WD性能

このマツダ3は、面で受けるような吸収の仕方をします。前輪・後輪という概念ではなく、シャシー全体で衝撃を吸収している感じでした。ピッチングがほぼ皆無だったのです。この違いを街乗りレベルで感じられることが感動しました。

しかし、乗り心地がよいか、とは別の話です。路面の状況が良ければ乗り心地が良いのですが、荒れた路面になると入力は大きめになる印象でした。かといってロードノイズが大きくなるわけではないのでそこは明賀だと思います。

そして次に感動したのが、ブレーキです。初めて乗る車の場合、フィーリングになれるのに探りながら慣れていくのですが、マツダ3は一発で思い描いたように止まってくれました。

巷では、ブレーキの利きが甘いという評価もありましたが、僕にとっては、ぴったりのフィーリングでした。僕が普段、ブレーキを細く長く踏む癖があるからかもしれませんが…。

ハンドリング

ハンドリングについても今まで感じたことのないフィーリングでした。

普通のクルマは、カーブの時に常に修正蛇行が必要になります。ハンドルを切り続けることが抵抗に感じることがありますが、マツダ3の場合右へ切り始めるとじわっと向きを変え、Gが右へ傾き、手を離していても右へ曲がり続ける印象がありました。

おそらくGベクタリングコントロールプラスの効果なのだと思われます。ハンドルを切り増すとともに進行方向のGもコントルールすることでカーブ時の挙動を安定させているのでしょう。

低速時で感じたハンドルの重さも、クルージング時には程良い重さで、MT車で片手でハンドル操作をする場合でも安定してハンドル操作をすることができます。

スピードが上がってきても挙動が乱れることは一切なく安定していました。

まとめ

よかった点

質感

なんといっても質感の高さです。今回試乗した15Cは市販されていませんが、15Sでも220万円程から購入できます。これだけの質感のクルマがこの価格で買えるというだけでも価値があると思います。

ハンドリング

そしてハンドリングです。どこまで行っても挙動が乱れるこ都はなく、安心してハンドルを握ることができます。

いまいちな点

乗り心地

なんといっても、足回りの固さだと思います。低速で乗り心地が悪くなる車、逆に高速域で乗り心地が悪くなる車はありますが、このクルマは速度域を問わず、固いなあと思ってしまいました。

コンセプトは、4人乗りのロードスター

当初このマツダ3が販売されたときの謳い文句は、4人乗りのロードスターだったような気がします。これを踏まえると、この足回りの固さも納得できるような気がします。

マツダCX-30の存在も

これで足回りが固いだとか感じるのであれば、CX-30を選べばよいのでしょう。