マツダ3(アクセラ) 注目すべき点は?スカイアクティブXとは?

マツダ

マツダ3(アクセラ)が発表となりました。

レクサスUXよりも注目されていたような気がしますが、まあ、それは良いとして。

デザインなど発表されましたが、とてもカッコ良いですね。僕は個人的にハッチバックのリアがかっこいいなと思いました。死角かなり多そうですが…。

今回のアクセラで注目すべき点は、やはりスカイアクティブ‐Xだと思います。スカイアクティブ‐Dは有名だと思いますが、ディーゼルエンジンのことですね。スカイアクティブ‐Gはガソリンエンジンのことで、ともにマツダが誇る良いエンジンです。

じゃあスカイアクティブ‐Xは一体何者なのか?という問題になります。今回はこれを見ていきましょう。

 

SKYACTIV-Xとは?

スカイアクティブ‐Gとは、通常のガソリン車に比べて高い圧縮比を保つことで高効率でハイパワーなエンジンのことです(圧縮比については、エンジンのスペックについて知りたい! 馬力とは?トルクとは?をご覧ください)。

 

エンジンはピストン内で燃料を爆発させて、そのパワーを動力として車体を動かします。この燃料を爆発させて大きくなる比率のことを圧縮比と言います。この圧縮比が大きいほど、少ない燃料で大きな爆発を生じさせるため、より効率の良いエンジンだということができます。

 

スカイアクティブ‐X

この爆発のさせ方にガソリン車とディーゼル車で異なるのですね。

ガソリン車はピストンで圧縮する際に点火プラグにより点火させることで爆発を生じさせます(火花着火)。

これに対し、ディーゼル車は、ピストンで圧縮することで爆発させています(圧縮着火)。

http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201301mazda/index.html 実用化ドキュメント HPより抜粋

 

スカイアクティブ‐Gは、高圧縮を維持することで高効率なクリーンエンジンを実現しました。スカイアクティブ‐Xは、ガソリンエンジン車であるにもかかわらず、圧縮着火によりエネルギーを生むことで、ガソリン車でありながら、ディーゼル車に並ぶほどの高効率を実現したエンジンなのです。

 

スカイアクティブ‐Gに比べ、トルクは全域で10%、最大で30%ほどのトルクアップを実現しています。

燃費は20~30%ほど改善しているそうです。車種にもよりますが、ハイブリッドとガソリン車くらいの燃費の差があります。

 

先進安全技術「i-ACTIVSENSE」全車に標準搭載

アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)に夜間歩行者検知機能を追加されています。

マツダは安全装備を全車種・全グレードに装備するという方向に向かっています。他社では、上位車種かもしくは上位のグレードにしか設定のない安全装備などがあり、高いお金を出せる人しか、充実した安全装備のついた車に乗ることができないということがありますが、マツダは車種により安全装備の差が少なく、(デビューのタイミングでは下位車種の方が装備は充実していることも…)評価できるポイントですね。

 

リアサスペンションはトーションビーム式

僕が個人的に気になったのは、リアサスペンションが現行型がマルチリンク式であったのに対し、新型では、トーションビーム式になることです。

簡単に説明するとマルチリンク式が複数のアームでタイヤを支えることで接地性を上げつつも振動を和らげる吸収性にも優れているため、一般的に高性能なサスペンションだといわれます。

 

マルチリンク式サスペンション

それに対し、トーションビーム式は簡素なつくりで低コストで且つコンパクトなサスペンションです。

サスペンションについて、詳しくは、サスペンションの型式と特性についてを参照ください。

いわばサスペンションの型式の中で最も高価な型式から最も安価な型式に変更されたといえます。

 

マツダがプレミアムを志向しているしているさなか、マツダがこだわりを持って採用してきたマルチリンクサスペンションを捨てたことが一体何を意味するのでしょうか?

 

まず考えられるのは、コスト削減です。やはり近年、安全装備の標準装備化が求められる中で、長らく庶民の給料は変わっていません。本来であれば装備が充実しているため、値段は上がって当然なのですが、充実した分の価格をすべて上乗せていたら、クルマを値段はどんどん上がり、売れなくなってしまいます。

 

次に考えられるのはスペース効率の追求です。トーションビーム式が採用される理由として、かさばらないという点から積載性を追求する車において採用されています。

 

そして技術やノウハウの蓄積によりサスペンション形式にとらわれずとも十分な性能を確保できるようになったことが考えられます。 

僕個人的には2つ目と3つ目の理由が大きいと考えられます。1つ目についてはいまさら感があるからです。マツダはこれまで安い価格で高性能なサスペンションを採用し、そういった点を売りにしてきました。そしてブランドイメージが上がるにつれ少しずつではありますが値上げもしています。性能に自信のないクルマを、今のマツダが出すわけないと思ったからです。

 

 

ちなみにメルセデスベンツAクラスも、リアサスペンションはトーションビーム式です(A180とA180スタイル。特別仕様車である「A180エディション1」についてはホイールのインチアップとともに、リアサスペンションもマルチリンク式に変更されている)。

奥に映っているのがリアのサスペンションです。ベンツAクラスのサスペンション。

メルセデスベンツ Aクラス

はっきり言って素人が普通に乗る分においてマルチリンク式サスペンションとトーションビーム式のサスペンションの性能差を感じることは難しいと思います。

このようなコンパクトなサイズのクルマだとなおさら、性能差は表れにくいです。サスペンションにかなりの負担がかかる走行シーンや、もともと車重が重くサスペンションに負担のかかりやすい車種でない限り、明確な性能差は表れないです。それならコンパクトで広々な空間を実現できた方が良いです。こうした理由でトーションビーム引きサスペンションを採用したのだと思われます。

 

まとめ

マツダ3(アクセラ)の注目すべき点は、ガソリンエンジン、スカイアクティブ‐Xです。

ガソリン車特有の吹け上がりの良さ、静粛性の高さと、ディーゼル車並みのトルク及び燃費の良さを持ち合わせた、ガソリン車とディーゼル車を合わせたようなエンジンであると考えていただければよいです(もちろんベースはガソリン車なので燃料はレギュラーガソリンです)。

自動車の電動化が叫ばれていますが、マツダのエンジンはまだまだ内燃エンジン車でも十分通用すると思えるようなエンジンです。