ヴィッツの名を改め、ヤリスとして誕生したトヨタのコンパクトカーです。
エンジンはヴィッツの直4 1.3Lから直3 1.5L と1.5L ハイブリッドそして直3 1.0L の三本立てです。
目次
概要
サイズ
ヤリス | ヴィッツ | |
全長/全幅/全高 | 3,940/1,695/1,500 | 3,945/1,695/1,500 |
ホイールベース | 2,550 | 2,510 |
重量 | 1,000(1.5L G) /1,060(HV G) | 1,010(1.3L U) /1,110(HV U) |
サイズ的には、ヴィッツとほぼ同じくらいです。ハイブリッド車の軽量化が目立ちますね。
エンジン
HV | 1.5L | 1.0L | |
最高出力 | 67kW(91PS)/5,500r.p.m | 88kW(120PS )/6,600r.p.m | 51kW(69PS )/6,000r.p.m |
最大トルク | 120N・m(12.2kgf・m)/3,800~4,800r.p.m. | 145N・m (14.8kgf・m)/4,800~5,200r.p.m. | 92N・m (9.4kgf・m)/4,400r.p.m. |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | ギア機構付自動無段変速機(Direct-Shift CVT) | 自動無段変速機(Super CVT) |
フロント モーター | 最高出力 59kw(80PS) 最大トルク 141N・m(14.4kgf・m) | ||
リア モーター | 最高出力 3.9kw(5.3PS) 最大トルク 52N・m(5.3kgf・m) | ||
システム最高出力 | 85kW(116㎰) |
エンジンに関しては、1.0L は少しもの足りなく感じられるかもしれません。
パワートレーン比較
1.5L
Direct Shift-CVT(ダイレクトシフトCVT)が注目
注目は、1.5L に採用されている Direct Shift-CVT です。
私はAT派だったのですが、RAV4に乗ってから、CVTは日本車には最も適しているトランスミッションであると確信しました。
これまで CVT はダイレクト感に欠けるという印象がありましたが、ダイレクトシフトCVTは発進用のギアを備えることで、力強い発進加速を実現します。
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ダイナミックフォースエンジン
エンジンは新開発の直3 1.5Lエンジンです。ダイナミックフォースエンジンとはTNGAの思想に基づき開発された高効率エンジンです。そのため、ヤリスでは、アイドリングストップ機構は付きませんが、WLTCモード燃費は21.6㎞/Lを実現しました。
直3エンジンってどうなの?
直3 エンジンについては、直3のイメージが軽自動車であることから、不安に思われる方も多いのではないでしょうか?
BMW1シリーズ、2シリーズも直列3気筒ですが、十分以上のパフォーマンスを実現しています。デメリットは、これまで作ってきたエンジンが直4ばかりだったので、新たに直3エンジンを作るとコストがかかるということくらいでしょう。
ヤリスについては、低燃費と排気量が1.5Lになったことによる動力性能を考えれば、文句なしでしょう。
HV
ニッケル水素からリチウムイオンバッテリーへ
ハイブリッドシステム用のバッテリーが進化しました。
一般的には、ニッケル水素よりリチウムイオンバッテリーの方がコストがかかるようです。プリウスαは5人乗りと7人乗りでバッテリーが異なります。7人乗りの方が乗員定数と最大重量が大きくなることから、リチウムイオンバッテリーを搭載することで、5人乗りと同様の環境性能を実現しました。
ですから、リチウムイオンバッテリーの方がより高性能であるといえるでしょう。
例えば、トヨタ系列でいえば、1.5Lアクア系、1.8Lノア系、2.5Lクラウン系はニッケル水素バッテリーを搭載し、
1.5Lヤリス、1.8Lプリウス系(E-Fourはニッケル水素)、2.5L RAV4、3.5Lクラウン系ハイブリッドについてはリチウムイオンバッテリーとなっています。
1.5L系では初のリチウムイオンバッテリー搭載のハイブリッドシステムです。
語弊があるかもしれませんが、リチウムバッテリーの方が良い、ニッケル水素は劣るというのではなく、その車の性格に応じて使い分けているのだと思います。クラウン2.5L の場合、ハイブリッド化の目的は、乗り心地・静粛性を落としてでも燃費性能を追求することではなく、圧倒的な静粛性や滑らかな乗り心地のためで、燃費や速さを競うためのハイブリッドではないといえます。ですから上質な乗り味と価格のバランスに応じ使い分けがされているのでしょう。
しかし、今回のヤリスは、フィットとの関係で燃費で負けるわけにはいかないという意地があったのでしょう。
それでリチウムイオンバッテリーが採用されたのだと思います。
4WDの設定
先代ヴィッツでは設定の無かったハイブリッドモデルの4WD の設定が加わりました。
ハイブリッド? ガソリン?
おススメはガソリン
まず、1.0L は、1.5L との価格差は88,000円程です。たった88,000円でダイレクトシフトCVTと新生のダイナミックフォースエンジンが手に入り、さらにLTA が備わるのであれば、よほどの理由がない限り1.5L が良いでしょう。
問題は、ハイブリッド車かガソリン車ですが、結論は 1.5L ガソリン車です!
ポイントは価格差とその価格に見合うだけの性能差があるかどうかです。
諸元表を見てみましょう。
HV | 1.5L | |
燃費(㎞/L) | 36.0 | 21.4 |
最高出力 | システム最高出力 85kW(116㎰) | 88kW(120㎰) |
車重 | 1,060 | 1,000 |
パワーウエイトレシオ | 9.13㎏/㎰ | 8.33㎏/㎰ |
システム最高出力:メーカー公表値
まず、価格差は同グレード比較で約38万円です。税金の差が53,000円ほどあるので差額は約33万円。
燃費の差は、WLTCモードで約15㎞/Lです。ただ、ハイブリッド車の特徴として、夏場だけでなく、冬場でも燃費が悪化しやすい傾向にあります。
また、極限まで燃費を追求しているモデルだけあって、オプションの追加等で燃費が変動する注意書きがたくさん書かれています。
そのため、ハイブリッド車を25㎞/L、ガソリン車を15㎞/Lと仮定しましょう。ガソリン価格はレギュラー140円とします。1㎞/L走るためのコストはそれぞれ5.6円、9.33円になります。
ハイブリッド | ガソリン | |
実燃費(km/L) | 25 | 15 |
1㎞走るのにかかるコスト | 5.6円 | 9.33円 |
回収するのに走る距離 330,000÷(9.33-5.6) | 88,471㎞ |
元取るのに必要な距離は、8万8,471㎞となりました。
長く乗るというのであれば、元を取るのは不可能ではないでしょう。
ガソリンの方が軽快
パワーウエイトレシオを見ると、ガソリンエンジンの方が8.33㎏/㎰と、ハイブリッド車の9.13㎏/㎰を上回っています。ガソリン車は、高回転域まで得意なので、軽くて軽快な走りのヤリスのイメージには最も適しているでしょう。
ハイブリッドならではの装備は?
ばね上制振システムなどのハイブリッドならではの装備はほとんどありませんが、
自動で駐車してくれる「トヨタチームメイト」が欲しい場合は、ハイブリッド一択となります。駐車区画の無い所でもあらかじめ設定しておけば、駐車の支援をしてくれる装備です。
詳細はコチラに書いています。
ガソリンモデルは車体も軽く、エンジンもパワフルなので走る楽しさでいえばガソリン車の方が上です。
総額244万円
ハイブリッドモデルもいいんですけどね。コミコミで244万円となると我に返るというか…。
ハイブリッドG | 244万円 |
メーカーオプション | ホワイトカラー インテリジェントクリアランスソナー |
ディーラーオプション | T-Connectナビキット、 フロアマット、アームレスト |
私なら、差額の33万円でちょっとした国内旅行に何回か行きたいです。
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