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ライバル車徹底比較 ミニバン編 Mクラス トールサイズ
人気のMクラスサイズのトールミニバン。広い室内と5ナンバーサイズと使い勝手の良さから人気となっている。同じようなサイズ、デザインで違いがないように思われがちだが、3車3様違いがあり、メーカーごとの個性が出ています。今回はその違い・個性について徹底比較し、紹介したいと思います。
サイズ
まずは 各ミニバンの大きさから。
全長×全幅×全高
ノア/ヴォクシー
4710×1735×1825
セレナハイウェイスター
4770×1740×1865
ステップワゴンスパーダ
4760×1695×1840
セレナハイウェイスター>ステップワゴンスパーダ>ノア/ヴォクシー
の順になります。しかしベースグレードで見ると、3車とも
ナンバーサイズギリギリなので、室内の広さとしては大差ないといえます。
全高(㎜)
ノア/ヴォクシー
セレナハイウェイスター
ステップワゴンスパーダ
セレナハイウェイスター>ステップワゴンスパーダ>ノア/ヴォクシー
全幅 (㎜)
ノア/ヴォクシー
セレナハイウェイスター
ステップワゴンスパーダ
セレナハイウェイスター>ノア/ヴォクシー>ステップワゴンスパーダ
しかし、これが直ちに運転のしやすさにつながるわけではありません。そこで、運転のしやすさに直結しやすい、ホイールベース、最小回転半径を見てみましょう。
ノア/ヴォクシー | セレナハイウェイスター | ステップワゴンスパーダ | |
ホイールベース(㎜) | 2850 | 2860 | 2890 |
最小回転半径(m) | 5.5 | 5.5
(16インチ車は5.7) |
5.4
(17インチ車は5.7) |
こうしてみると、ホイールベースはノア/ヴォクシーが優勢で、最小回転半径ではステップワゴンがやや優勢となっています。
セレナハイウェイスターでは、16インチ車はセレナハイウェイスターVセレクション、セレナハイウェイスターGの2グレードとNISOMOとAUTECHの一部グレードが16インチとなり、小回りが利かなくなるので注意です。
ステップワゴンでは、SPADACool Spirit Honda Sensingでは17インチとなり小回りが利かなくなるので注意が必要です。
その点、ノア/ヴォクシーは全グレードで最小回転半径が変わらないのは褒められる点だと思います。(ZS ”GR SPORT”も含め)
まとめ
各車サイズはほぼ互角で、運転のしやすさに直結しやすい点といえば、最小回転半径とホイールベースだと思います。その点を踏まえると、ややノア/ヴォクシー優勢かなと思われます。次に最小回転半径が最も短いステップワゴン、その次にセレナになります。
運転のしやすさ
ノア/ヴォクシー>ステップワゴンスパーダ>セレナハイウェイスター
しかし選ぶグレードによって各値が異なるうえ、人によっては、全幅が大きいと運転しずらく感じたり、最小回転半径が大きいと運転しずらく感じたり、運転のしやすさ、しにくさの基準は様々だと思います。なので実際に試乗して運転のしやすさ、しにくさを決れるのがよいと思います。
インテリア
次にインテリアを見ていきます。
シートアレンジ
2列目
ノア/ヴォクシー
ノア/ヴォクシーの2列目は7人乗りを選択した場合、キャプテンシートとなり非常に芸の細かいシートになります。
8人乗り
座面を跳ね上げて前方にスライドさせることができ、3社の中では最も広大なスペースを作り出すことができます。
セレナ
セレナはe-power のみ7人乗りとなっています。セレナの7人乗りはシンプルな機構となっています。
ステップワゴン
ステップワゴンは7人乗り、8人乗りともにシンプルなつくりで、かけ心地にこだわったものだといえます。しかし他車と比較すると、ミニバン的な魅力や使い勝手の良さを求めると物足りないかもしれません。
7人乗り
8人乗り
2列目 評価
シートアレンジ セレナ>ノア/ヴォクシー>ステップワゴン
2列目の快適性は非常に評価が難しくなりますが、シートアレンジの充実度でいえば 、間違いなくセレナです。最大で8人乗車を確保しながら、自由自在なシートアレンジを可能にしています。
次点がノア/ヴォクシーです。7人乗りは自在にアレンジでき、4名乗車時にはリムジンのような広大なスペースを実現できます。
快適性 ステップワゴン>セレナ≒ノア/ヴォクシー
続いては快適性です。停車時の快適性ではなく、走行時ですね。ミニバンの場合は、いくらシートレンジが素晴らしく、くつろげたとしても、走り出したとたんに乗り心地が悪く、全然くつろげないということもあります。なので購入の際は、しっかりと後席の乗り心地も確かめましょうね。
その観点でみると、トップはステップワゴン。低床低重心を謳っているだけあって、乗り心地はいたってフラット。ふすられ感も少なく、走行時の快適性でいえば、頭一つ抜けています。街乗りのみならず、高速域でも安定した動きを見せます。
次点はセレナ、といいたいところですが、セレナとノア/ヴォクシーは方向性が異なり、好みによっては逆転した評価になるかもしれません。というのもセレナは柔和な感じで、ノア/ヴォクシーはコシのあるしっかりした感じ。
セレナの足回りは、乗り心地を良くしようと柔らかく、なるべく衝撃を伝えないように努めている感があります。しかしその乗り心地の良さは上位モデルのエルグランドのそれとは異なるのです。たとえて言うなら前者が空気の少ない自転車であれば、後者がサスペンション付きのロードバイクのような違いです。
足回りが柔らかいので、カーブが続くような状況では、酔いやすい人にとっては辛いかもしれません。路面状況の良い一般道では、凸凹を伝えてくることは少ないのですが、荒れた路面や高速域ではゴツンとショックを伝えがちです。
ノア/ヴォクシーは一般道から高速域まで終始しっかりした印象で、セレナより衝撃は伝えてくるのですが、ふわふわした感覚は少なく、酔いにくいのではないでしょう。その代わり、時たまリアが跳ねてしまうことがあり、こういったところに不快感を感じる人もいると思います。
そうした理由でノア/ヴォクシーとセレナとでは、好みの違いにより評価が分かれると思います。
3列目 評価
かけ心地 セレナ>ノア/ヴォクシー>ステップワゴン
シートサイズ、ボリュームともに良いのはセレナである。シートスライド機能も備えており、かけ心地はよい。
セレナと同じく跳ね上げ式を採用するノア/ヴォクシーはシートは薄いものの、背もたれのサイズは確保されていて、なかなか快適だと感じられた。
かけ心地では、やはり床下収納式のステップワゴンがシートの作りが小ぶりなのでその分快適性は落ちます。塩シートの厚み、サイズともにライバル2車に及ばない。
走行時の快適性 セレナ>ステップワゴン>ノア/ヴォクシー
ミニバンは一般的には、後席になるほど、突き上げなどが大きくなる。
セレナはシートのクッションで衝撃を吸収できています。ステップワゴンはシートが薄いゆえに、路面からの衝撃をシートで収め切れていない印象があります。ヴォクシーは路面からの突き上げがあり、それがシートを伝えて体に伝わっています。
荷室
3列目の格納しやすさ 〇
3列目のシートスライド ×
3列目シート格納時の窓の視界 ×
テールゲート使い勝手 △
ノア/ヴォクシー
セレナ
3列目の格納しやすさ 〇
3列目のスライド 〇
3列目シート格納時の窓の視界 △
テールゲート使い勝手 〇
セレナは一見すると使い勝手は良いように思えますが、荷物の種類によっては使いにくいシーンもあります。例えば、重いもを載せる際は要注意です。また背の低い方は荷室まで手が届かない可能性があるため、分割式テールゲートは実物を見て使い勝手を見る必要があります。
ステップワゴン
3列目の格納しやすさ 〇
3列目のシートスライド ×
3列目シート格納時の窓の視界 ◎
テールゲート使い勝手 ◎
ステップワゴンのテールゲートは横にも開くわくわくゲートを採用している。狭いところでも荷物を取り出すことができ、セレナとは異なり背の低い方でも使いやすい設計である。
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